クラウドワークス エンジニアブログ

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エンジニアとして入社した僕が、なぜスクラムマスターになろうと思ったのか。

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なにか存在感のあるものが見たかった。少し傷心気味だった。 使い捨ての新しいものにはうんざりしていた。どこか…違う雰囲気の場所へ行ってみたかった。

さんざん考えた。いったいこのエンジニアリングのどこへ行けば、変化を約束してくれるだろうか。 どこへ行けば、慌ただしい時の流れに侵されない場所があるだろうか。


いまこの記事を読んでいるあなたは、 スクラムマスターという役割をご存知だろうか。

1年前、クラウドワークス入社以前の僕は、そのような役割が存在することを知らなかったし、 そもそもアジャイルすら知らなかった。

でも、いま僕はスクラムマスターになろうとしている。



目次

  • はじめに
  • この記事の対象者
  • 適正の有無
    • 才能とは
    • 自分の才能に気づく
    • 才能の伸ばし方
  • アジャイルな時間とそれを支えるチーム文化
  • アジャイルイベント(RSGT2019)参加への意思のきっかけ
  • スクラムマスターにまつわる所感
    • 役職の定義
    • 研修を終えて
  • スクラムマスターへの招待
  • おわりに



はじめに

はじめまして。クラウドワークスに入社してもうすぐ1年が経ちます、lemtosh469と申します。 クラウドワークスではアジャイル開発が採用されており、日々改善を繰り返しながらサービス開発を行っております。 公開されている弊社ブログを閲覧いただければ、その様子が垣間見れると思います。

今回は、アジャイル開発の具体的なノウハウや実践事例というよりは、 これからスクラムマスターになるにあたっての個人的な所感や、 意識の持ちようを多く含んだ内容となっております。

自分がスクラムマスターを志そうと思ったきっかけや、その考えを書き起こすことで、 少しでもアジャイル界隈に貢献する一助になれたり、 クラウドワークスはアジャイル開発をより良くしようとしているという雰囲気が伝われば幸いです。


この記事の対象読者

スクラム開発を回してはいるものの、 チームの状態をもっとよくできるんじゃないかと考えている人、 エンジニアとして自分の持つエンジニアリング以外の才能に少しでも可能性を感じている人、 そんな人がスクラムマスターの道へ進むことを後押しすることができればと思っております。



適正の有無

唐突ですが、才能の話をします。

才能とは

皆さんは、才能と聞いてどのようなイメージが想起されますでしょうか。
才能の定義は諸説あると思います。

「才とは生まれもった素養であり、能とは訓練で得た力である」 「本物の才能を持った人間だけが、クリエイターになれる」 「才能がない人間が努力してもムダ」

しかし、多くの人が才能に関して誤解をしています。
才能は、どの程度あるか?と考えるものではなく、 才能があるかどうか?で考えていく必要があります。

私たちは、自分がわかる、つまり「才能がある」ことを過小評価しています。 「ワインがわからない?本当に美味しいのを飲んだらわかるよ」 「まず僕を信じて、あの映画を見て。そうしたら君にも素晴らしさがわかるから」私たちはつい、人にそう言ってすすめてしまいます。 自分に才能がある、なんて知らない。面白さや素晴らしさがわかる、というのが天から与えられた才能だと気づいてない。誰にでも「わかって当たり前」だと考えているのです。

「好きなだけ」「わかるだけ」というだけでも、実はものすごいことなんです。

才能=「◯◯が好き!」と感じること。

つまり、気になって仕方のないこと、 気になるから改善したくなることや、そのために勝手に調べてしまうこと、 そういった類のことは自分の持つ「才能」だと捉えて良いと考えます。


自分の才能に気づく

才能とは上記のようなモノであるという定義のもと、 自分の好きなことを紙に書き出すなどしてみてください。

「新しい技術に触れることが好き」、「難しい実装を終えたときの達成感が好き」、 「クソコードを改善することが好き」、 「チーム開発が好き」、「プロダクト開発が好き」、「事業について考えることが好き」、 「企業分析が好き」、「おしゃべりが好き」、「チームのメンバーと食事している時間が好き」、 「文章を書くことが好き」、「散歩が好き」、「デザインが好き」、 「お酒が好き」、「お酒を飲む場が好き」、「お菓子が好き」、「効率化が好き」、「仕組み化が好き」、 「作ることが好き」 などなど、どんな些細なことでも何でもいいです。

もし少しでも書き出せた"好き"があったら、 あなたにはそれに関して「才能」があります。

もし完全に絞り出した結果、出てきていないならそこに才能はないので前向きに諦めましょう。 才能がないことは無理してやらないほうがストレスにもなりません。

では続いて、その才能の伸ばし方について考えていきましょう。


才能の伸ばし方

さて、先程書き出した "好き" の言葉の裏にある気持ちは、 才能の原石なので、まだあなたの中に眠っている状態のモノが多いです。

そこで重要になってくるのは、その原石を光らせるための、 「表現できること」との掛け合わせです。

  • 他人に見せられること
  • 提供できること
  • 作ってあげられること

なんでも良いです。

デザインや文書作成が得意であれば、新メンバーのチームへの受け入れ資料をまとめてみても良いかもしれませんし、 作ってあげられるなら社内ツールを開発する、でもいいかもしれません。 絵を描くことが好きなら誰かの技術書の表紙を書いてみてもいいかもしれません。 また、おしゃべりが好きならまわりの人を誘ってチームを超えてランチに行くに文化をつくる、でもいいかもしれません。

大事なことは、発掘したその「才能」をそのままにしないで、 「表現できること」と掛け合わせて誰かのためにアウトプットすることです。


アジャイルな時間とそれを支えるチーム文化

僕はクラウドワークスに入社して、はじめてチーム開発に参画し、 アジャイルな時間を過ごすようになりました。

慣れるまでは気苦労が多くて大変でしたが、 たくさんの開発を通じて気の良い仲間たちとの適切な距離感が確立されて、 居心地の良い時間を過ごしていました。

そのあたりの社内での文化の話は、 昨年末に執筆させていただいたアドベントカレンダーをご笑覧いただければ幸いです。 プロダクト開発を取り巻く愛と文化について


アジャイルイベント(RSGT2019)参加への意思のきっかけ

そんな中、ボクらの開発チームに悩める青年が入ってきました。

スクラムチームにおいてメンバーの脱退や加入は、 少なからずチーム内の雰囲気や役割に変化を与える要素となります。

あまり大きな声では言えないけど、 その青年との出会いは、僕のエンジニアリング人生にとって、 大きな変化をもたらすきっかけとなりました。

僕は、日々悩む彼との対話を通じて多くのことを学び、技術以外の部分で様々なことを考えさせられました。 チームは、もっと良くならねばならないという気持ちをフツフツと湧き起こさせてくれたのでした。 そして、チームの健全性を育むということに対して強い意識が芽生えるようになっていきました。

そのような気持ちの変化のなか、エンジニアリングマネージャーが社内のチャットで紹介していた、 Regional Scrum Gearsaring Tokyo2019というアジャイルのイベントの存在を知り、 自然な流れで参加することを心に決めていました。

イベントの様子は下記に参加者の方々が書かれた参加レポートをまとめましたので、 ご興味のある方は覗いてみていただくと参考になるかもしれません。

qiita.com

僕はこのアジャイルのイベントに参加されていた多くのスクラムマスターとお話をし、 たくさんの刺激を受け、いま取り組んでいるアジャイル開発、チームの状態は、 いまよりも、もっと良くしていけると確信を得ることができました。


スクラムマスターにまつわる所感

役職の定義

さて、ここで話を本筋に戻していきます。

アジャイル開発には、「スクラムマスター」と呼ばれる役割が定義されています。

スクラムマスターって何をするの?というのは、いまだに僕も持っている疑問です。 wikipediaによると、

スクラムフレームワークが正しく適用されていることを保証する役割であるが、権限としては間接的である。主な作業は、チーム内外の組織間調停( ファシリテーション )と外部妨害を対処することとされる。従来のプロジェクトマネージャがこの役割を担うことが多いが、プロジェクトそのものを管理するわけではない。

スクラム開発をしていない人にしてみれば、プロジェクトマネージャーとどう違うの?とか、 スクラム開発をしている人にしてみれば、プロダクトオーナーとどう違うの?とか、 わざわざ役職として置く意義のようなものが非常に定義しにくいように感じます。

なので、この疑問を払拭すべく、この度僕は「認定スクラムマスターの試験」を受講してきました!!

認定スクラムマスターに関する内容につきましては、 弊社スクラムマスターの飯田の記事がありますので、 そちらをご一読いただければと思います。

「認定スクラムマスター研修」で身につくものと受講する価値とは


研修を終えて

僕の受講した認定スクラムマスターは、組織パターンの著者であるJames Coplien氏を講師とした研修です。

この研修で丸2日間、座学と数々のワークショップを通じてたくさんのことを体験してきました。 うまく、言葉にできていないけど、明らかに心を揺らし、掴めたモノがあったのは確かです。 なので“体験"をしてきた。というところは個人的には非常に重要なポイントです。

たとえば、柔道や剣道を想像してみてください。

2日間連続で、型についての本を読み込んだり、道場に通って稽古をつけてもらったとします。 それだけで自分は柔道や剣道のマスターになれたと胸を張って言える人はいるでしょうか。

ただ確実に言えることは、僕はこれから起こる様々な出来事を通じて、 チームが健全な方向に進めるように、その瞬間瞬間で可能な限り最善になるような意思決定の手助けをし、 チーム(組織)のbe agileな時間(持続可能性の高い時間)をつくり続けるということです。

ここに「アジャイルソフトウェア開発宣言」というものがあります。 https://agilemanifesto.org/iso/ja/manifesto.html

私たちは、ソフトウェア開発の実践 あるいは実践を手助けをする活動を通じて、 よりよい開発方法を見つけだそうとしている。 この活動を通して、私たちは以下の価値に至った。 プロセスやツールよりも個人と対話を、 包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、 契約交渉よりも顧客との協調を、 計画に従うことよりも変化への対応を、 価値とする。すなわち、左記のことがらに価値があることを 認めながらも、私たちは右記のことがらにより価値をおく。

いまあなたにはこれらの言葉がどんなふうに見えているでしょうか。 認定スクラムマスター研修に参加すればきっと、 いま取り組んでいるソフトウェア開発がいままで以上に楽しくなることでしょう。


スクラムマスターへの招待

最後までこの記事を読んでくださった方は、 きっとチームや組織を本質的に良くしていくことに関心があり、 それはつまり、その「才能」があると考えられます。

スクラムマスターという「表現できること」を習得し、 ぜひその「才能」を表現してみませんか。

現在、クラウドワークスでは "be agile" というスローガンが掲げられ、 チームや組織をより良くしていく取り組みが全社的に始まっています。 BeAgileを印字したオリジナルパーカーが制作されるなど盛り上がりをみせています!

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ご興味を持っていただけた方は、ぜひ弊社に遊びに来てください! お待ちしております!!

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おわりに

どうやら、アジャイル開発に関する資料は、書籍やネット上の記事だけではなく研究論文が数多くまとめられているようです。

個人的にはメトリクスなどを使った情報の可視化がチームの成長を加速させるヒントになりそうだと予測しています。 失敗を許容できない仕組みはそもそもアジャイル開発ではない。 という考えのもと、そのあたりのノウハウの実践の失敗やうまくいったことも今後記事として公開していければと考えております。

どうぞお楽しみに!!

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