エンジニアの佐藤 (@tenbrother)です。
今回はの開発チームが、開発スピードを速めるために行っている試みを紹介させていただきます。
(若干釣り気味なタイトルですが一応実例です、、、)
「開発スピード」とは
そもそも「開発スピード」と聞くと「モノを速く作ること」を想定しがちですが、モノを作るスピードが速いとしても、リリースされた機能が使われなかったり、事業が成長していないのでは意味がありません。
例えば、「スケジュールの期限から前倒しで実装できた」や「リリース数が前月比2倍」などは、最悪作られたものがユーザーに使われないケースもあるため、あまり本質的ではないと考えています。
「開発スピードが速い」とは「ユーザーに価値を素早く届けられサービスが成長している状態」を指すという前提で、以降話を進めていきたいと思います。
作りすぎのムダと作らない開発
エンジニアとして働いていると、「リリースした機能がさほどユーザーに使われなかった」という経験は誰しもあると思います。その機能を企画・開発した工数はコストであり、かけたコストが価値を生まないのであれば、謂わば「作りすぎのムダ」です。
クラウドワークスでは、この作りすぎのムダをなくし、「その機能・サービスが本当にユーザーに使われるのか」を早期に察知するため、ニーズ検証可能な最低限の機能でリリースする試みをしています。
これによりユーザーが求める機能・サービスに速く到達することができます。
社内ではこのような開発の考え方を「作らない開発」と呼んでいます。
クラウドワークスでの実例
アメリカで人気の靴の通販サイト「Zappos」でも、創業期は早期にニーズ検証するため注文フォームのみ開発し、注文がくると創業者自ら靴の購入・梱包・発送を行っていたそうです。
クラウドワークスでも、ニーズ検証のため最初は裏側の業務をシステムで自動化せず、手動でユーザーと向き合い運用しているサービスがあります。
実例として、クラウドワークスでの仕事の依頼を専任オペレーターがサポートするコンシェルジュ機能は、企画当初の案では3ヶ月ほど開発工数が必要と思われましたが、ニーズ検証目的でスコープを絞って開発することで、1週間ほどでリリースすることができました。
当初、専任コンシェルジュはクラウドワークスで働くユーザー様に担当して頂く想定で、以下のような複数機能の開発が予定されていました。
しかし、このサービスの成功にはまず「発注者がコンシェルジュに仕事依頼のサポートをお願いしたいと思う」というニーズがあることが不可欠です。なので、初期リリースのスコープをこのニーズの検証に絞り、コンシェルジュは社内リソースで行って、開発は「仕事を依頼したいユーザーがコンシェルジュに申し込む機能」のみとする判断としました。この結果1週間でリリースできた形になります。
このコンシェルジュ機能は、仮説通りに成功した面とそうでない面があり、当初想定からは方針転換しながら成長し続けています。
初期リリースまでのスピードが速く早期にニーズ検証・方針転換ができるとともに、Zapposのように運用でユーザーとのやりとりも発生するため、そこから得られたフィードバックをさらなるサービス改善に活かすことができる好事例となっています。
※以下コンシェルジュ機能のトップイメージです。クラウドワークスが誇る優秀なデザイナーさんに制作いただきました!
まとめ
開発している自分たちは「この機能はイケるんじゃないか!」と思っていても、ユーザーのニーズにフィットせず受け入れてもらえないことは残念ながらしばしばあります。
失敗も多々ありますが、今回の記事で書いたような改善を重ねることで、本当にユーザーから求められるサービスを作っていきたいと思っています。
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