この記事はクラウドワークスアドベントカレンダー19日目の記事です。
クラウドテックのエンジニアをしている久村です。 2020年5月からクラウドテックに異動し、開発をメインで担当しています。 この記事では、サービスの顔とも言えるファーストビューを改修した話ができればと思います。
クラウドテックは、ハイクラスなフリーランス IT・WEB エンジニアやデザイナーに特化したマッチングサポートサービスとして 2015年4月から始まったサービスです。
ファーストビューのデザインを改修しようと思ったきっかけ
上記が既存のファーストビューでした。
2020年5月にチームに入ったタイミングでは、このデザインに違和感を抱いていたわけではありませんでした。 11月ごろに今期の施策を検討するタイミングで、サービスが目指している方向性をより考えるようになりました。施策を考える際には、クラウドテックのビジョンを念頭に、それに向けた機能開発を考えます。 その際に、このデザインはクラウドテックのビジョンを適切に表現できていないのでは?と感じました。
この段階では、自分の思いつきレベルではあったので、具体的にどこに違和感があり、どんなデザインにすれば良いか考える必要があります。一般的には、このような業務はPOが担うことが多いのですが、チームメンバーの抱えているタスクのバランスを見て、私が担当しました。
どのように改修案を検討したか
何となく今のデザインは良くないなと思っていたので、そこを言語化するために以下の流れで整理しました。
- 現状の数値
- フリーランスエージェントサービスに何を求めているか?
- クラウドテックがアピールすべきポイントは?
- アピールポイントが、事業部の目指すビジョンとズレていないか?
- アピールポイントをどう表現に落とし込むか?
順に説明させていただきます。
1. 現状の数値
私は課題と思っているが、数値上望ましいスコアが出ているのであれば、優先度は高くありません。やる必要もないかもしれません。 よってそもそも課題なのかを把握するために、グーグルアナリティクスでの分析を行いました。 具体的には、TOP画面から登録画面への遷移率等の数値を確認しました。
結果として、別のLPページに比べて数値が悪かったので検討する余地はあると判断し、以下のステップに進むことにしました。
2. フリーランスエージェントサービスに何を求めているか?
私はフリーランスの経験がなく、それを志向したこともなかったので、少し視野を広げて見てみようと思いました。
なのでクラウドテックに求めるものを考える前に、一つ枠を広げて、フリーランスエージェントサービスに何を期待しているかを考えました。いきなりクラウドテックのことを考えてしまうと、狭い視点になり、ユーザーの求めているものを見落としてしまう可能性があったためです。
まずはフリーランスエージェントサービスを使用するなら、どんな点を求めるかをまとめました。それを踏まえて、自社のサービスを含む競合のサービスや社内の資料を確認し、自分の思いついていなかった訴求ポイントや、どの点を強調しているかを確認しました。
ユーザーに訴求する点としては、以下のように整理しました。
・高単価 ・案件数が多い ・リモートワークができる ・稼働日数に融通が利く ・稼働までがスムーズ ・サポートの質が高い ・技術力が向上できる ・特典が充実している ・実績、評判が高い
ここで整理したポイントを基に自社サービスが何をアピールすべきかを次のステップとして考えました。
3. クラウドテックがアピールすべきポイントは?
各々のユーザーで求めているものは当然異なります。またクラウドテックが全てを提供できるわけではないので、アピールポイントを決めないといけません。
他社と比較した際に、優位性が持てているのは リモートワークができる です。これは普段から事業マネージャーより共有されており、リモート案件数は他社と比べて豊富です。
それ以外の点でもアピールできる点はあるものの、あれもこれもアピールするよりは、クラウドテックと言えばリモートワークと認知がされる状態の方が望ましいと考えました。
サービスを使用する人は、おそらく複数のサービスを比較すると思います。その際にアピールポイントが印象に残ることの方が重要であり、複数アピールする必要はないと考えました。
また社内の営業メンバーにヒアリングしたところ、コロナ渦という外的な要因もありリモートを志向されるユーザーは増加傾向であることも判断の材料になりました。
よって、リモートワークができるをアピールするべきと考えました。
4. アピールポイントが、事業部の目指すビジョンとズレていないか?
マッチングシステムのビジネスモデル上、マッチング数を増やすには、ユーザーを増やすか、案件を増やすか、両方が充足しているならマッチングの精度を向上する必要があります。 ファーストビューの修正は、ユーザーを増やす施策になります。 リモートワークを志向するユーザーが増えても、そのような案件が少なければ効果は薄れてしまうので、営業マネージャーに認識の共有を行いました。
結果としては、リモート訴求することは事業部の目指している方向性に合致することを確認しました。 方向性は固まったので、最後にどのようにそれを実現するかを考えました。
5. アピールポイントをどう表現に落とし込むか?
抜本的にファーストビューを変更するよりかは、既存のデザインとアピールすべきポイントのギャップを確認し、よりアピールポイントを強調できるようにしたいと考えました。
もちろん自分でデザインするスキルはないので、デザイナーさんにデザインの依頼をします。
その際に、ポイントとして以下の3点を共有しました。 ・リモートワークできることをより強調したい ・写真ではなくイラストを使用したい ・事業部のビジョンを体現したい
リモートワークできることをより強調したい
既存のデザインを確認すると、リモートの点をアピールできてはいるが、訴求が弱いです。 画像に関しては、リモートで働いているとも、そうでないとも受け取れるので改善の余地はあります。 また文言に関しても、よりリモート案件が豊富な文言の方が、他社に比べて優位性がアピールできそうです。
アピールしたいポイントを明確にし、既存のデザインの課題と合わせて伝えました。
写真ではなくイラストを使用したい
ストックフォトは汎用的に使用されることを目的として準備されたものです。それだとクラウドテック独自のアピールポイントが伝わりづらい印象でした。よって、イラストにすることでクラウドテックのアピールしたい点をより表現できると判断しました。
別のLPでイラストを使用しているページが存在し、そのページの数値が良いことも判断の後押しとなりました。
事業部のビジョンを体現したい
クラウドテックの事業ミッションとして、 労働市場のバイアスを取り除き、選択肢の最大化を図る を掲げています。これを実現するために事業を行っており、この想いをデザインにのせたいことも共有しました。
デザインの完成
作成したファーストビューが以下です。
リモートで働いていることをより感じられるデザインです。 文言に関しても、リモートワークができる点を強調した表現になっています。
また労働市場のバイアスを取り除き、選択肢の最大化を図るのビジョンに関しても、エンジニアが男性というバイアス(思い込み)を取り除くために、男女複数をデザインすることで表現しています。
まとめ
デザインの方向性を考えるのは初めてで、何を伝えるべきかを考えることが普段の開発よりも多かったです。
別チームのメンバーから「よりリモート感があって良い」などのフィードバックをもらっており、伝えたいポイントを訴求できたのかなと思います。
直近でのデザイン改修のためまだ数値の改善を分析できていないのですが、今後は結果を見つつさらに改善していければと思います。
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