クラウドワークス エンジニアブログ

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リモート主体のチームで成果以上にコミュニケーションを重視したら生産性が向上した話

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みなさん、こんにちは。エンジニアリングdivのしもはたです。 最近、機動戦士ガンダムを一話から見始めました。戦場で戦って成長していくアムロの姿を見ると自分もうかうかしてられないなと思いますね。早くニュータイプ系エンジニアになれるように日々成長ですね。

さて、話は変わりますが入社時から関わっていたチームから別のチームに異動することになりました。移動前のチームでは、自分以外のメンバーがフレックス・リモートの制度をフルに活用し、私が出社してもチームメンバーが職場にいない状況は珍しくありませんでした。 今回はリモートワーク初心者の私がリモートワーク中心の開発チームで直面した問題と解決策をお伝えしようと思います。リモートワークを取り入れてみたがうまく運用が回らないよ、とお困りの方の参考になれば幸いです。

【目次】

チームの体制とフルリモートの実態

  • チーム四人体制
    • 週一回の出社日を除いて、自宅で作業する。
  • 基本的にはSlackで上でコミュニケーション。
  • スクラムの開発体制をとっており、1週間=1スプリントとし、その中でプランニング、振り返りを行う。

リモートワークのメリット

様々なメリットがあるかと思いますが、個人的に感じたメリットをいくつか紹介します。

  • 通勤時間がゼロになる。通勤のストレスから解放される。
  • 打ち合わせをするのに会議室を用意する必要が無い。
  • 休憩時間に家の家事を済ますことができる。
  • 自宅など人が少ない空間で作業ができるので、静かであり集中できるため効率が上がる。

発生した問題と解決策

長期間、上記のような体制でリモートワーク中心の開発を行うといくつかの問題が発生しました。それぞれの解決策と合わせて三つご紹介いたします。

問題①:メンバーが何やってんのかよく分からない問題
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リモート勤務をしていてよく問題に上がるのが、「チームメンバー何してんだろ?」という事だと思います。担当しているチケットの進捗が進んでいれば良いのですが、1、2日経過しても同じチケットの進捗がない状態だとフォローしようにも何をフォローすれば良いのか不明であり、チームとして良い状態とは言えません。

解決策①:タスクを一箇所に管理して見える化の促進

毎日、朝会にて「今日やることの共有」などは行うのですが、数時間後に確認してみると状況が変わって実は違う業務をやっていた、差し込み業務で全社業務をやっていたなど、様々な理由でもともとやろうとしていた開発業務が止まってしまうことがありました。 そこで、全てのタスクをTrelloで管理することを徹底しました。 とにかく、チームの開発タスクに限らず、チーム外の個人タスクも全てTrelloで管理することにしました。

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全社的業務から、小さなドキュメントの修正に至るまでタスク全てカードにして管理していきました。こうする事で、散らばっていた情報を全て集約することに成功し、メンバー間でのフォローを行ったりすることができるようになりました。

問題②:心が疎遠になっていく問題
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リモートで勤務しているとどうしても雑談をする時間が減少してしまいます。打ち合わせの時のみ会話をし、他の時間は業務に集中することができる反面、「なんとなくメンバーに話しかけづらい」、「メンバーが最近どういうことを考えているのか分からない」といった状況を生み出してしまいます。 実際、自分たちのチームでもそのような時期があり、チーム内で遠距離恋愛をしているようなもどかしさを感じながら、開発を進めている状況がありました。当然そんな状況だと心理的安全性も確保されず、チームとしてのパフォーマンスも出にくい状況でした。

解決策②:朝会に雑談の時間を設定

そこで、毎日行っている朝会に「今日の一言」という雑談の時間を設けることにしました。1人づつが最近気になっているニュースや技術、昨日食べたご飯や飼っているペットの様子など何でも良いので、話す場を設けました。

その結果、自然とその人が抱えている業務やプライベートでの悩みやコンディションがメンバー内で共有されるようになりました。実施する前に比べslack上での会話も活発になり、チームとしてパフォーマンスが出せるようになったと思います。

問題③:相談しづらい問題

特別な用があるときはメンションつけてslack上で会話できるのですが、質問するに至らないような小さな疑問や言語化できないモヤモヤした質問などがある場合、その都度、slackのcallをするのは大変ですよね。職場に出勤していれば軽く聞けることも、毎度毎度、そんなことをしていたら通話する側も受ける側も何となく疲れてしまいます。自分たちのチームでもそのような状態が発生していました。

解決策③:通話用にチャットアプリの導入

より気軽に会話できるように、Discordという、ボイスチャットアプリを導入していました。

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画面感はこんな感じです

Slackと比較して通話に関する仕様の違いは次の通りです。

通話に関する仕様について 使い分け
Slack 通話ごとにグループを作成する必要がある。一度、参加者全員が通話グループから抜けると新たに通話グループを作り直す必要がある。 テキストベースのやりとりをするのに利用
Discord ボイスチャットルームが固定で用意されている。通話から抜けても同じ通話グループに入れる。 通話が必要な場合に利用

Discordではテキストチャット用のチャンネルとボイスチャット用のチャンネルが分かれているため、Slackと違い、チャンネルから作成した通話グループを探し出す必要がありません。そのため通話グループへの出入りもしやすく、一目で誰がどこで誰と通話しているのか分かるという利点があります。*1

私たちのチームでは打ち合わせなどが無い時間以外はボイスチャットに入室し、常にメンバーと会話するというルールを設けました。 導入当初は、ボイスチャットに入室していたのですが、だんだんと入室の足が遠のき、結果的にこの取り組み自体は長くは続きませんでした。入室しても、黙々と作業をしてしまうため、特に会話をすることがなく自然と入室する人が減っていったのが原因でした。振り返ってみると、空いている時間全てではなく、特定の一時間のみ入室して作業するという風にメリハリを持たせた方が上手くいったのではと思います。

しかし、Discordを導入したことで、通話するまでの手軽さから、通話の障壁を下げることができたと思います。その結果、以前と比較して、メンバー間で会話する数が増えたように感じます。想像になってしまいますが、コニュニケーション手段の住み分けを明示化できたことで、通話してもよい、という意識づけがメンバーに出来たのかと思います。

まとめ

  • リモートワークで直面する問題の多くはコミュニケーションに関する問題ばかりであることが分かりました。
  • 一般的に言われているようなリモートワークによるコミュニケーション不足は、今回のように運用の方法を変えてみたり、ツールを使うことで解決できる問題では、と思います。
  • 一般的には無駄な時間を削減して生産性を上げるという手法を取りがちだが、雑談などの作業外時間を増やすことで成果を上げ、生産性を上げるという手法も一つの手段であることに気がつきました。
  • 「リモートワークはデメリットや問題があるから導入をやめる」と考えるのではなく、「デメリットや問題をどうやって無くしていくのか」という視点に立って改善を試みていく意識が大事だと振り返って感じました。

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*1:他チームとの兼ね合いもあり、Slackからの移行は難しく上記表のように併用して使用していました。

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