クラウドワークス エンジニアブログ

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EFO(Entry Form Optimization)の進め方

こんにちは。2014年11月にクラウドソーシングのクラウドワークスにジョインした @oura です。 気がつけば会社の中ではもう古株で、最近ではマネージャーとして、また一児の親として勉強の毎日を送っております。そういえば何故かクラウドワークスのエンジニアは既婚者+予備軍が多いですね。

本記事は、EFOを実施する際にどのように進めていくとより良いパフォーマンスを出せるのかを、これまでの私の経験を振り返り、まとめたものになります。

EFO って、、何?

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入力フォームの最適化(Entry Form Optimization)のことで、入力フォームにフォーカスしたUX(ユーザー体験)の改善になります。

ボトルネックを知る

最初にすべきことは何でしょう? EFO を頼まれたからフォームに目を向けがちだと思いますが、多くの場合、そこは目的(成約数を増やすこと)に立ち戻ってフォームに流入するまでに改善できることはないか、ユーザーの流れを診る必要があると筆者は思います。何故ならフォームの改善よりもコストを低く、CV数を向上できる可能性を秘めていると考えるからです。

Google Analytics などのウェブ解析ツールを確認しましょう。LP(ランディングページ)のPV数、フォームのPV数、コンバージョンページのPV数など抑えるべきPV数を確認し、ボトルネックがどこにあるのか依頼者の方と認識合わせをしましょう。

まだウェブ解析ツールが導入されていないのであれば導入し、ゴール設定をしておきます。 さらにはそれを日々気軽に確認できるように工夫することも、計測ができることと同じくらい重要です。

大まかにやることを決める

具体的に細かく考える必要はありません。アクションに移すための大まかな方針が決められれば良いでしょう。

EFO 以前のボトルネックが明確に分かっているのであれば、それに先に手をつけたほうが良いでしょう。フォームが改善したがどうかを測るときにもサンプル数を集めないといけません。ボトルネックであることが分かっているもののA/Bテストが必要であればフォームの改善と並行して実施しても良いかもしれません。

作業順を考える

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具体的に何をしていくのかリスト化して依頼主の方と優先順位を決めます。このとき筆者がオススメなのは開発コストと確度を使って優先度を決める方法です。またA/Bテストが必要かどうかも順序を考える際には考慮すべきポイントになるでしょう。

開発コストが低く、確度が高いA/Bテストも必要のない定石(項目を減らす、適切なプレースホルダーを設定するなど)の施策の場合は最優先でどんどん進めていったほうが機会損失を低く抑えられます。ユーザーの傾向が影響するA/Bテストが必要な施策であれば一旦他の変更を止めたほうが都合が良い場合が多いので優先度を下げておきます。

参考までにサンプルを載せておきます。

施策 開発コスト 確度 A/Bテスト 優先度
「ふりがな」を必須から任意へ 2 10 0 2
「パスワードの確認」を削除 3 10 0 3
任意項目には【任意】と記載する 1 8 0 3
「電話番号」でハイフンを不要にする 4 8 0 6
アカウント情報入力欄とプロフィール情報入力欄の仕切りをなくしてみる 3 2 1 21

※「優先度」は(開発コスト)+(10-確度)+(A/Bテストx10)としてます。

確度はどう決めてたら良いのだろうという悩みが発生するかと思いますが、そこはググってある程度あたりをつけ、追加で自身の経験をもとに考えると、ある程度の精度は確保できるはずです。確度の精度をあげることに注力するよりも、確度が高いであろう開発コストのかからない施策に、如何に早く対応できるかに注力したほうが良いです。

筆者は初めて EFO を実施したとき、定石に関しても疑いをもっていたため、いちいち変更の度にA/Bテストを実施しましたが、今になっては大分無駄なことをしていたなと思えます。先人の知恵は効果的に使っていきましょう。

定期的に依頼者と状況を確認する

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いつ EFO は終わるのでしょうか?それは依頼者との間で決定される事柄です。無駄な開発を行わないためにも定期的に依頼者と状況を確認して見切りをつけましょう。EFO における開発ではコストパフォーマンスには波があるはずです。

おわりに

EFO の施策自体は色々みつかるものの、どういう考えで立ち向かえば良いのか分からないことが往々にしてありそうなのでその辺りを意識して書いてみました。プログラムのテストの導入時の悩みと似たようなところがありますね。これから EFO に携わる人の参考になれば幸いです。

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