クラウドワークス エンジニアブログ

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UDXチームの立ち上げ〜現在の取り組みを紹介します!

こんにちは、エンジニアの井上と申します。

2023年6月にクラウドワークスへ入社しました。

私が所属しているのは2023年5月に新しく設立された「UDX」というチームです。

この記事では、UDXチームの立ち上げ〜取り組みまでを紹介したいと思います!

UDXチームとは?

UDXチームは「ユーザーとの接点が最も多いユーザーサポートチーム(以下ユーサポ)目線の気づきや課題感をプロダクトに反映させることで、より良い価値提供ができるはず」という考えのもと、2023年5月に新設されたチームです。

チーム名に関しては、上記の考えを反映し「User Support DX」の略称で「UDX」と命名しました。

ユーサポの定常業務の効率化へ向けた技術的サポートやユーザーからの問い合わせ件数の削減を目標とした施策、管理画面の負債解消などに取り組んでいます。

私の入社時点ではチーム立ち上げ直後ということもあり、EM1名とエンジニア2名の合計3名でしたが、徐々にチームビルディングが進み、現在はEM1名・エンジニア3名・PO2名の6名体制です。

チーム設立の背景とミッション

チーム立ち上げ以前の課題として、以下の2つがありました。

  • ユーサポは最もユーザーとの接点が多い部署であるにも関わらず、ユーサポ社員が感じている課題や気づきをサービスに反映させる環境が整っていない
  • 技術的サポートによりユーサポの定常業務を効率化させる余地があるものの、着手できていない

こういった問題を解決すべく設立されたのがUDXチームです。

具体的には以下の2つをチームミッションとして掲げています。

  1. ユーサポの気づき・課題感に(ドメインをもつチームがあれば協力して)取り組む
  2. ユーサポの業務コスト改善を技術的にサポートする

順番に説明を加えます。

①ユーサポの気づき・課題感に(ドメインをもつチームがあれば協力して)取り組む

UDXチームが主導となってユーサポ目線の施策を遂行することでより良い価値・体験をユーザーに届けられると考えています。

また「ドメインをもつチームがあれば協力して」とあるように、必ずしも自チームだけでの解決をミッションとしているわけではありません。

中長期的にはUDXチームのみならず、開発組織全体として横断的にユーサポからの施策を遂行できる仕組み作りを目指していく必要があります。

②ユーサポの業務コスト改善を技術的にサポートする

前述したように、ユーサポの意見をプロダクトに反映させる環境が未整備のため、管理画面の改善に手が回っておらず、日々の業務コストを削減できていない状態となっていました。

そこで私たちUDXチームが技術的にサポートすることでユーサポの業務コストを改善する役割も担っていきます。

これは「ユーサポの業務コスト改善ができれば、その分だけユーザーと向き合う時間や課題発見の時間に充てられるため、結果的にユーザーの満足度・定着度向上に繋げられるはず」という考えに基づいています。

現在の取り組み

チーム立ち上げから現在までに実施した、主な活動内容をまとめます。

①ユーサポ定常業務の効率化

チーム立ち上げ初期はまず、ドメインのキャッチアップも兼ねて、ユーサポの定常業務の効率化へ向けてUI・UXを中心とした管理画面の改修から着手しました。この取り組みによって特に改善されたのは次の2つの業務です。

  • 目視チェック(掲載する仕事依頼の内容に問題がないか目視で確認する)
  • スカウト目視チェック(スカウトメッセージの文言に問題がないか目視で確認する)

どちらもクラウドワークス安心安全宣言で掲げている「悪質案件(MLM・マルチ商法・ねずみ講・ネットワークビジネスなど)の撲滅」に向けた取り組みの一環として、とても重要な業務です。

この2つは毎日の対応件数が多く改善の余地が大きいにも関わらず手を付けられていない状況だったため、画面へ表示する項目の追加や一括更新の機能追加などを実施し効率化を進めました。

1つ1つの修正自体は軽微なものでしたが、定量的な工数削減効果はもちろん、実際に定常業務に取り組んでいるユーサポの社員からも「とても楽になった」と嬉しいお言葉をいただいています。

このように、定量的な成果だけではなく管理画面の修正に伴いユーサポの皆さんから直接的なフィードバックが得られるのもUDXチームの魅力だと感じています。

規約違反アカウントの自動凍結

残念ながらクラウドワークスには規約違反を続けるユーザーが一定数存在します。

これまでユーサポの社員がそうした規約違反者を検知すべく工夫を凝らしていました。

しかしその精度は高いとは言えず、また手作業でのアカウント凍結の処理をしていたため手間もかかる状況でした。

そこで、規約違反者のアカウントを自動で凍結する機能を実装しました。

ある特定の行動を行っているユーザーを規約違反アカウントとみなし、その行動を検知した時点で自動的にアカウントが凍結される仕組みです。

さらにユーサポの皆さんが後続の処理を迅速に行えるよう、自動凍結した時点でSlackチャンネルに通知する機能も盛り込みました。

長期的な構想としては機械学習を用いた自動検知も検討段階です。

③管理画面のVue.js化

ERB(Embedded Ruby)でできている管理画面のVue.js化にも取り組みました。

「機能追加がしづらいため、まずは既存仕様のままVue.js化してそれから新機能を実装しよう!」という方針で着手が決定しました。

元々弊社には技術的負債の解消を目的としたチームが存在していますが、こちらの記事でも紹介されているように、それ以外のチームでも全社的にフロントエンドのVue.js化の機運が高まっています。

単にERBをVue.jsに置き換えるだけでなく、Railsのコントローラー側もAPI版を新規に作る必要があり、その他にOpenAPIの自動型生成やStorybookなどキャッチアップしなくてはいけないことがとても多く大変ではありました。

しかしフロントエンド〜バックエンドまで一気通貫で実装することで大幅にスキルアップできたように感じています。

④仕事の掲載中断理由の見える化

こちらは現在取り組んでいる施策です。

ユーザーが公開した仕事の内容や文言が不適切な場合は運営側の判断で掲載を中断している一方で、「なぜ中断されたのか?」がユーザーに具体的に提示されていません。

そのため中断の理由についての問い合わせが多発している状況でした。

そこで仕事の掲載中断理由の見える化へ向けた施策を進めています。

この施策は③で紹介した、管理画面のVue.js化を完了させた後に着手しており、その上でさらにテーブル追加を5つ行うなど大規模な施策となったため、非常に長い期間を要しています。

いよいよ終盤に差し掛かってきているので慎重に作業を進めていきたいです。

今後やりたいこと

最後にこれからUDXチームでやっていきたいことをまとめます。

以下の内容には私個人の意見が多分に含まれています。

①ミッションのアップデート

冒頭に記載したチームミッションはあくまでもチーム設立時に決めた内容です。

そこから現在に至るまで、見直す機会は設けられていません。

しかし決めた当時と現在では業務の解像度やメンバーも異なるため、改めてミッションに対する意見交換をすべきだと考えています。

他のメンバーも似たような思いを抱えているため、近いうちに話し合いの場を設ける予定となっています。

スクラムの見直し

スクラム開発の進め方にも改善の余地が大きいと感じています。

チーム全体として、どのように進めていくべきなのか手探りな状況だからです。

1スプリントの期間やスプリントゴールの決め方、コミュニケーションの頻度など見直す点はたくさんありますね。

「SCRUM BOOT CAMP」や「アジャイルサムライ」といった著名な書籍をみんなで読み合わせるなど、スクラム開発に対する認識を揃える取り組みをしてみても良いかなと思っています。

③管理画面のVue.js化

引き続き管理画面のVue.js化も進めていきたいです。

今回は初めての取り組みでしたが、一度経験したことで多少なりとも解像度が高まったように感じています。

もちろん反省点も多々あるので、次回以降はこの経験を生かしてもう少し速く、より高いクオリティで遂行していけるはずです。

またVue.js化と言いつつバックエンドのAPI実装も改善すべきだと感じました。

弊社ではDDDの導入へ向けてルール決めをしている最中なので、今後APIを実装する際はこうしたルールも反映していきたいです。

おわりに

いかがだったでしょうか? 個人的には整備され尽くしているチームで働くよりも、新設されたチームの一員になれたことでより貴重な経験を積めていると感じています。

新たな取り組みを実施したりチームの成熟度が高まってきた際はまた本ブログで紹介できればと思います!

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