クラウドワークス エンジニアブログ

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かんばん仕事術による「見える化と改善」

クラウドワークスでエンジニアをしている佐藤です。

最近クラウドワークスエンジニアチームでは「かんばん」を活用した開発フローが盛んになっています。 今回はかんばんを利用するメリットやその活用法について、紹介していきたいと思います。

かんばんとは

かんばんとは、各自のタスクを付箋に洗い出し「TODO」「DOING」「DONE」のようなワークフローにマッピングしたボードを指します。 着手したタスクは「TODO」から「DOING」に、完了したタスクは「DOING」から「DONE」に移動させるというシンプルなルールで活用しています。

スクラムを導入している企業では、オフィスのあちらこちらにかんばんが置いてあるのも良く見る光景ではないでしょうか。

TrelloのようにWEBサービスとして電子的に利用できるかんばんもありますが、クラウドワークスではアナログなボードに付箋を貼るタイプのかんばんがブームです。

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クラウドワークスで利用しているかんばんの一例

見える化と改善

何故かんばんを利用するかというと「見える化と改善」のためです。

かんばんのワークフローにタスクをマッピングすることで、開発フローの抱える問題点が見えてきます。 例えば、かんばんを活用することで、以下のような問題に早期に気づくことができます。

  • あるタスクが見積った工数を大幅に超過している
  • あるメンバーが一度に複数のタスクを掛け持ちしており、コンテキストスイッチが大きく業務効率が上がっていない
  • その実装領域に関して経験の浅いメンバーが一人でタスクに取り掛かっており、周囲からのサポートもない

ワークフローが見える化されチームの課題が皆の目に明らかになれば、協力して問題の解決に向かうことができます。 課題の解決のためには、まず課題の見える化が必要なのです。

見える化のための工夫

かんばんの見せ方に工夫をすると、課題がより見えやすくなります。以下、クラウドワークスで行っているかんばん運用における工夫を紹介します。ほんの少しの工夫で、見える化の度合いが大分変わってきます。

滞留ポイント

私が所属しているチームでは、毎日定時前に行う夕会で「DOING」の欄に滞留しているタスクにシールを貼る運用にしています。 例えばシールが3つ以上溜まっているタスクは、着手して3日間経っても完了しないとことを表しており、このようなタスクに関してはチームで議論して対策を決定します。

このような工夫ひとつで、なかなか終わらないタスクをチームで課題と認識して取り組むことができます。

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※着手して2日経過したやや危険信号なタスク

アバター

「DOING」の欄にあるタスクの上にチームメンバーの顔写真を貼っているチームもあります。(通称アバター

アバターには「コンテキストスイッチ対策」と「1タスク複数担当者による学習促進」の効果があります。

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コンテキストスイッチ対策

例えば「DOING」の欄に3つアバターがある場合は、あるチームメンバーが同時に3つのタスクを行っていることを指します。その人は同時に3つの作業を行うためコンテキストスイッチが大きく、業務効率が低下している可能性があります。

私のチームでは、そもそもアバターを1人2つまでしか用意せず、1人が同時に3つ以上タスクに取りかかれないようにしています。

1タスク複数担当者による学習促進

アバターを利用することで、一つのタスクに対して何人のエンジニアが取り掛かっているのかが見えるようになります。

私の所属するチームでは、1つのタスクに対して複数エンジニアで取り組むことを推奨しています。相互に逐次レビューをしながら開発を進めたり、ペアプロを行ってノウハウを共有することで、お互いに成長できるような環境を整えることが狙いです。

毎日の朝会・夕会で、チームメンバー皆でかんばんを見ながら、あるタスクに関して複数人で取り組めないか調整しながら進めています。 このように、かんばんでの見える化によりチームメンバーの成長促進につながっている面もあります。

まとめ

かんばんの運用を始めてみて、チームで自律的に業務改善がなされ直近の開発スピードが向上するとともに、見える化ペアプロのような教えあう・助け合う開発のきっかけになりチームが成長しているのを感じます。

かんばん運用のノウハウに関しては、以下の書籍に詳細に記載されています。 今回紹介した「滞留ポイント」「アバター」もこの書籍からヒントを得たものです。

カンバン仕事術

カンバン仕事術

 

この記事で紹介したかんばん仕事術は、エンジニア以外の職種でも活用することもできます。 是非みなさんの会社でも試してみて下さい!

最後に

クラウドソーシングのクラウドワークスではサービス開発に集中したい「がんばらないためにがんばるエンジニア」を募集しています!

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